日本国内では今から17年前の2003年にICLの臨床試験が行われました。その後徐々に認知度も上がり、手術をする施設や医師も増えたことにより、近年では手術を受ける方が急増しています。これまでに約2万5千人の方がICL手術を受けたと言われています。
男女比はどのくらいですか? ほぼ半々です。
フェイキックIOLとICLは違うのですか? 有水晶体眼内レンズのことを「フェイキックIOL」と呼びます。「ICL(Implantable Contact Lens)」は商標登録されたレンズの名前で、アメリカのStaar Surgical社製の後房型レンズ
です。よって、フェイキックIOLの中に、ICLというレンズの種類があるとお考えください。また、日本で承認されているフェイキックIOLはICLのみです。
今までに名古屋アイクリニックで起こった合併症を教えてください。
手術後の強い炎症が1例(感染ではありません)。レンズのサイズが合わず入れ替えたものが4例です。白内障は1例で、この方は元々軽い白内障があり承知の上で手術を受けた方です。すべての方がその後の適切な処置で良好な視力を維持されています。
ICLの手術費用が高いのはなぜですか? ICLはプレミアムな手術として、世界的にみてもレーシックに比べて、費用は高くなっております。レンズは厳重な管理下、高精度に作られているので、とても高額であることもその要因です。ただし、手術はレンズをただ入れればいいものではなく、しっかりした検査によりサイズや度数決定をして、安全に行う必要があります。また、当院の執刀医は2名とも、日本に10名しかいないエキスパートインストラクターの資格を持つ医師ですので、熟練の技術により、安心、安全な手術が行われます。当然のことですが、アフターケアも万全に行い、手術代には術前検査から1年検診までの費用も含まれています。以上のことから、安さを前面に出している施設より高額であるかもしれませんが、当院での手術に価値を認めて手術を受けられた方は皆さん、術後、その費用は妥当であったとおっしゃっていただいています。
なぜクリニックによって料金が大きく違うのですか? ICLは医療保険が適応されず、自由(自費)診療になります。つまり、保険診療のように統一された費用ではなく、施設ごとに費用を設定することができるわけです。医療はどのような治療でも見える部分だけでなく、見えない部分にもコストがかかっています。手術においては特にそうです。それは正確に手術を行うための事前準備だけでなく、手術への安全対策にも多額の費用がかかります。しかし、これらを省略して手術を行うことも可能で、それによってコストダウンができます。この部分は患者様には見えにくい部分でもあり、結果だけを見てしまうと、何ら変わらなく思われるかもしれません。名古屋アイクリニックでは、何においても本当に大切なことは目に見えない部分にあると考えております。我々はこの見えない部分に十分なコストをかけることにより、安全・安心・正確な手術を常に心がけています。
ICL手術後の視力に、手術を行う医師の技量は影響しますか?
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5-年齢×0. 3=年齢の平均調節力(D)
という式です。
この式に当てはめると、多焦点眼内レンズが持つ40cm(+2. 50D)を下回るのは 54歳 ですね。
※あくまで平均値です
余談ですが、この式には年齢毎の最小調節力(ピント合わせが苦手な人の場合)を求められるバージョンがあります。
15-年齢×0. 25=年齢の最小調節力(D)
この式で見ると、ピント合わせが苦手な人は50 歳 以上になると眼内レンズの方が優位ということになります。
つまりは
50代中盤ぐらいになると、白内障が酷くなくても早めに手術を受けることで老眼治療の恩恵を受けれる ことになります。
これを踏まえ、40代の方がICLを検討する際にICLか、時期は早めでも多焦点眼内レンズかを考えて選択する価値は十分ありそうです。
三鷹駅徒歩2分の眼科
武蔵野タワーズゆかり眼科
よくある質問(回答編) | みんなのICL
ICLでの矯正はとても安定しており、長期に渡りよい視力が保たれることがほとんどです。ただし、まだどんどん近視が進んでいるような場合は、残念ながらまた視力が落ちてしまいます。これは眼鏡やコンタクトレンズと同様です。眼鏡やコンタクトレンズは度を変えればよいのですが、ICLを安易に入れ替えることはお薦めしません。なぜなら、入れ替えることにより目に負担をかけてしまい、角膜の大事な細胞が少なくなってしまうなどのリスクがあるからです。どうしても必要な場合は入れ替えも行いますが、少しの近視であればレーシックで矯正するほうが、目への負担は軽いと思われます。このあたりの選択は、主治医としっかり相談して決めていただけたらと思います。
手術後長期経過すると視力は変化しますか? 前述のようにICLは長期に渡り矯正効果が安定しています。しかし、人間の目は老化により少しずつ変化しています。例えば30歳でICLを受けた方も、10年経つと40歳になり、徐々に乱視が出てきたり老眼が始まったりします。名古屋アイクリニックで行った研究では、10年経過後の平均視力は1. 1でした。元の近視の平均が0. 03ぐらいの強度近視なので、とても良好な経過だと思われます。ほとんどの皆さんが通常は眼鏡の必要がなく、とても喜んでいらっしゃいます。
手術後、どれくらいで視力が安定しますか? 手術当日は、多少の炎症や手術中に使用した薬剤の影響などでぼんやり見えていますが、視力は数日から1週間ほどでよくなります。自然な見え方で安定するには個人差があり、1ヶ月から3ヶ月ほどかかります。また、レンズを入れるために切開した部分によって、一時的に乱視がでることもあります。そのため、手術後2~3週間は見え方が良くないことがあります。
手術後長期経過して何か支障が出ることはありませんか? 以前のバージョン(穴の開いていない)のICLでは、10年経過時に3. 5%の方が白内障となり手術が必要となりましたが、現在のバージョンの穴の開いたICLになってからは、そのリスクが非常に少なくなりました。その他、レンズが濁ったり、緑内障など他の病気が出やすくなったなどの報告はありません。近視、乱視、老眼に関しては前述の通りであり、視力のわずかな変化は避けられません。
出展:Nakamura T. American Journal of Opthalmology 2019
ICLの手術をすると、白内障になりやすいのですか?
目の中に菌が入るなどにより、その可能性は0%ではありません。しかし、経験豊富な術者であれば、そうなる前に異変を察知し最善を尽くし、可能性を限りなく0%に近づける努力を絶えずしています。
ICLを受けた後に、日常生活等になにか制限が必要になりますか? 手術当日は入浴やシャワーができませんので、入浴やシャワーを済ませてから手術を受けましょう。術後は目への衝撃や汗などによる感染を避けるため、翌日の診察後から首から下のシャワーや入浴ができ、術後2~4日目以降から洗顔洗髪も可能です。お化粧は目の周りのメイク(アイシャドウ、アイライン、マスカラ等)を除けば術後翌日から、眼の周りのメイクは術後1週間以降で可能です。ジョギングやジムなど軽いスポーツは週間以降から、水泳やスキーなど激しい運動は術後1か月以降から可能です。
手術後にハロー・グレアは、どれくらい感じるものですか?日常生活に支障がでますか? 手術後のハローやグレア、光の輪が見える現象は軽度のものを含めるとほとんどの方に出現します。ただしそれにより夜間の運転が困難になるようなことはなく、ハローやグレア、光の輪も術後1週間は気になりますが、術後1~3か月で薄くなり、さらに脳も順応してほとんど気にならなくなります。
目に衝撃を受けた場合、レンズが割れたりしないですか? ICLの素材であるコラマーはソフトコンタクトレンズのように柔らかい素材ですから、眼内で割れることはありません。ただし、例えばサッカーボールが目を直撃するような強い衝撃では、レンズがずれることがごく稀にあります。その際はレンズを元の位置の戻せば視力も回復できます。
日本でどれくらいの人がICLを受けていますか? 国内でICLは2003年に臨床試験が行われてから既に17年以上が経ちますが、近年は手術を受ける人が急に増えており、これまでに約2万5千人の方がICL手術を受けたと言われています。
なぜクリニックによって料金が大きく違うのですか? ICLの料金は両眼で約40~80万円とクリニックによって大きく違います。これは、まず料金表示が税抜きか税込みか、近視の度数が強くなると料金が高くなるか同一か、乱視付きの場合は更に料金が高くなるか同一かなど、表示されている料金体系が違うことが挙げられます。また保障内容もクリニックによって6か月~3年まで幅広く、特にレンズの交換や抜去、検診費用がその中に含まれているかどうかでも違ってきます。ICLはレーシックと違い目の中にレンズを入れる手術ですから、何よりも安心安全のために保証内容が充実したクリニックで手術を受けることが安心です。
ICL手術後の視力に、手術を行う医師の技量は影響しますか?
ICLについての「よくある質問と答え」です。
いつ受けるのがいいですか? ガイドライン上の適応年齢は18歳以上で、老眼年齢までとされております。我々の施設でICL手術を受けられる方の平均年齢は32歳くらいです。あまり若いと、その後に近視が進んでまた視力が低下してしまうことがありますので、成人になり、なおかつ、1年以上、近視の度が変わっていないことが望まれます。また、年齢の上限ですが、やはり老眼がまだ出ていない頃、つまり40代半ばまでに手術を受けられた方がよいかと思います。なぜなら遠くが見えるようになる代わりに、近くを見るときに老眼鏡をかけなくてはならないからです。ただし、まだ日本では使用できませんが、欧州では老眼対応のICLがまもなく認可されます。それにより、さらに適応年齢が広がることが予想されます。
乱視は治りますか? ICLでは、かなり強い乱視まで矯正可能です。度数では5D(ディオプター)まで矯正できます。レーシックに比べて、矯正範囲も広く、また精度も高いと思われます。
ただし、眼鏡では矯正できない、不正乱視(規則性のない、デコボコした乱視)は、残念ながら矯正できません。このような方はハードコンタクトレンズや特殊なコンタクトレンズでの矯正となります。
老眼は治りますか? 残念ながら、老眼は治せません。老眼がある場合は、矯正を少し弱くするか(その場合は遠くの視力は落ちます)、遠くに合わせて、近くを見るときには老眼鏡をかけなくてはなりません。少し特殊な矯正としてモノビジョンというものがあります。片目はしっかり矯正するが、もう片目は弱く矯正して、両目で遠く近くを見るという方法です。これが合う方にはとても便利な方法です。事前にシミュレーションして、どうするか決めることができます。前述したように、近い将来老眼対応のICLも、日本で使用できるようになると思われます。
ICLを受けた後、近視が戻ることはありますか?その場合は、どうすればいいですか? ICLでの矯正はとても安定しており、長期に渡りよい視力が保たれることが多いです。ただし、その方がまだどんどん近視が進んでいるような場合は、残念ながら、また近視が出て、視力が落ちてしまいます。これは眼鏡やコンタクトレンズと同様です。眼鏡やコンタクトレンズは度を変えればよいのですが、ICLは安易に入れ替えることはお薦めしません。なぜなら、入れ替えることにより目に負担をかけてしまい、角膜の大事な細胞が少なくなってしまうことなどのリスクがあるからです。どうしてもの場合は入れ替えも行いますが、少しの近視であればレーシックで矯正する方が、目への負担は軽いと思われます。このあたりの選択は、主治医としっかり相談して決めていただけたらと思います。
ICLを受けて長期経過した後、視力はどうなりますか?
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